第4四半期の広告収入が市場予想を下回ったため、ニューヨーク・タイムズの株価は財報発表日の盤で一時10%超下落した。
ニューヨーク・タイムズ（Nasdaq：NYT）は現地時間2月7日付で、2023年12月31日現在の2023年度第4四半期の業績を発表した。第4四半期の売上高は前年同期比1.3%増の6億762万ドルで、市場予想の6億785万ドルをやや下回った。非汎用会計基準（Non-GAAP）における1株当たりの純利益（EPS）は0.70ドルだった。ニューヨーク・タイムズは2023年の年間売上高は前年同期比5.1%増の24億2600万ドル、デジタル購読売上高は10億9900万ドルで、初めて10億ドルの大台を突破した。
ニューヨーク・タイムズは、次の会計シーズンには、同社のデジタル購読売上高が前年同期比11%から14%増加し、購読総売上高が同7%から9%増加すると予想している。
ニューヨーク・タイムズの業績総覧。出典：ニューヨーク・タイムズ紙フィナンシャル・タイムズ
第4四半期、デジタル購読売上高は前年同期比7.2%増の2億887万ドルだったが、注目されている広告売上高の面では、ニューヨーク・タイムズの広告総売上高は8.4%減の1億641万ドル、うちデジタル広告売上高は同四半期に3.7%減の1億077万ドル、前年同期は1億119万ドル、印刷広告の売上高は16.2%減少した。
ニューヨーク・タイムズのウィリアム・バーデン最高財務責任者（William Bardeen）は電話会見で、同社の広告市場は引き続き不確実性に直面する見通しで、特に印刷広告の売上高の下落について、「広告と協力経営は季節的な影響を受け、その成長は下半期に集中するだろう」と述べた。
ニューヨーク・タイムズのメレディス・コピート・レヴィーンCEO（Meredith Kopit Levien）は財報後の電話会見で、「ポッドキャストを含むデジタル製品のパフォーマンスは、中東地域の衝突など、市場関係者がハードなニューストピックを回避する影響を受けている」と述べた。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、2023年第4四半期現在、アナリストが予想していた1037万人をやや下回った約1036万人の有料購読ユーザーがいる。このうち、デジタル購読者は約970万人で、第4四半期に30万人ほど増加した。同社はすでに目標を設定しており、2027年までに1500万人の購読ユーザーを達成する。ニューヨーク・タイムズ紙の紙媒体購読者数は2023年末に66万人に減少した。
新聞メディアが困難な時期を経験した際、デジタル化の積極的な推進とデジタルマーケティングの協力強化を通じて、ニューヨーク・タイムズは業界のハイライトとなった。この1年間、ニューヨーク・タイムズの株価は51%上昇した。
7日、ニューヨーク・タイムズ紙の株価は一時10%超下落した。2月8日、会社の株価は1株当たり43.74ドルに2.71%下落し、時価総額は71.91億ドルだった。
2023年12月27日、ニューヨーク・タイムズは著作権侵害を理由にOpenAIとマイクロソフトを起訴し、被告は「ニューヨーク・タイムズのユニークで価値のある作品を違法に複製し使用した」と関連した「数十億ドルの法定と実際の損失」に責任を負い、両社にニューヨーク・タイムズの著作権材料に使用されたチャットロボットのモデルと訓練データを廃棄するよう求めた。