電子商取引大手アマゾン（Nasdaq：AMZN）の第4四半期の売上高と第1四半期の業績ガイドラインはいずれも予想を上回り、クラウドサービスは成長を維持した。
アマゾンは現地時間2月1日、2023年度第4四半期の決算を発表し、第4四半期の売上高は前年同期比14%増の1699億6100万ドルとなり、市場予想の1663億ドルを上回った。純利益は106.24億ドルで、前年同期の2.78億ドルに比べて37倍超の大幅な増加となった。希薄化後の1株当たり利益は1.00ドルで、市場予想の0.79ドルを上回った。
2023年通年、アマゾンの売上高は5747.85億ドルで、前年同期比12%近く増加した。純利益は304億2500万ドル、前年は27.22億ドルの損失だった。アマゾンは、2024年第1四半期の売上高は1380億ドルから1435億ドル、市場予想は1420億ドルに達すると予想している。
アマゾンのアンディ・ジャシー（Andy Jassy）CEOは、「第4四半期は記録的な休日ショッピングシーズンであり、アマゾンのために充実した2023年を終えた。収益、運営利益、フリーキャッシュフローにおいて顕著な進展を遂げた。最もうれしいのは、会社がさまざまな業務分野で継続的な革新と顧客体験の改善を続けていることだ」と述べた。
1日のアマゾン株価（Nasdaq：AMZN）は1株当たり159.28ドルで取引を終え、上昇幅は一時9%を超え、時価総額は1兆6500億ドルだった。アマゾン株価は過去1年間で81%上昇した。
アマゾンの第4四半期と2023年通期の業績総覧。出典：アマゾンフィナンシャルレポート
事業別に見ると、アマゾンの中核事業である電子商取引の売上高は前年同期比8%増の705億4300万ドルだった。また、同社の第4四半期の広告サービス売上高は146.54億ドルに達し、前年同期比26%増加し、市場予想の142億ドルを上回った。サブスクリプションサービスの売上高は104.88億ドルで、前年同期比13%増加した。
今年1月29日、アマゾンは傘下の動画サイトPrime Videoのコンテンツに広告を放送し始め、市場は大きな新収入をもたらすと予想している。アマゾンのブライアン・オルザフスキー最高財務責任者（Brian Olsavsky）によると、広告主たちはすでにこのビジネスに「強い情熱」を示しているが、アマゾンは広告の投入量を低レベルに維持し、広告がユーザー体験に過度に干渉しないようにする計画だという。
一方、アマゾンのクラウドサービスAWSの同四半期の売上高は242億4000万ドルに達し、市場予想と同じ13%増加し、増加率は前期より1%高かった。AWSの運用利益は同四半期に72億ドル、2023年通期では13%増の908億ドルに達した。
この1年間、企業がクラウドサービスへの支出を削減したため、AWSの収益成長率は減速した。しかし、オルザフスキー氏は財報後の電話会見で、企業がクラウドサービスの支出を減らす現象が弱まり、仕事量が新たに増加しており、顧客たちはAWSの生成式AI（人工知能）製品に「大きな興味を示している」と述べた。
ジャシー氏も昨年第3四半期の財務報告後の電話会で取り上げた内容を再確認し、生成型AIサービスは依然としてアマゾンの「比較的小さい」事業だが、同社は今後数年間で「数百億ドルの価値がある」収入をもたらすと信じている。
アマゾンは2022年末から2023年までに計約2万7000人の人員削減行動を展開し、投資プロジェクトを停止した。2024年に入っても、アマゾンは支出を削減する方法を探し続けている。アマゾンは今年1月、Prime Videoビデオ部門とアマゾン傘下のMGM映画会社から数百人の従業員を含む新たなリストラを発表した。アマゾンはエンターテインメント分野の過度な支出から撤退しており、オンラインショッピングなどのコアな優先事項、AIなどの新たな重点分野に再び焦点を当てていると分析している。
オルザフスキー氏は、2024年がまだ「効率の年」だとは思わないが、会社は「私たちは新しい分野や新しいこと、顧客に愛される分野に投資し続ける」と慎重に新投資を行うと述べた。
アマゾンは数日前、2022年に提案していた掃除ロボットメーカーiRobotを14億ドルで買収する計画を終了すると1月29日に発表した。両社は共同声明で、この買収計画は「EUの規制承認を得る方法がなく、アマゾンとiRobotが一緒に前進するのを阻止した」と書いている。