ロシアは火曜日（11月7日）に欧州通常武装力条約（Treaty on Conventional Armed Forces in Europe、CFE）を正式に脱退した。これは冷戦後、欧州地域で通常武装力を削減するためのマイルストーン的な安全保障条約だった。ロシアはまた、米国がNATO軍事同盟を拡大し、冷戦後の安全を破壊したと非難した。これはロシアとNATOの間で緊張が高まっている最新の兆候となっている。
CFEは1990年に締結された。この条約は冷戦時代の両陣営、つまりNATOと当時のワルシャワ条約機構が欧州に軍事力を蓄積し、迅速に他方に攻撃を開始することを防ぐことを目的としている。しかし、この条約はモスクワでは歓迎されていない。通常の兵器におけるソ連の優位性を弱めているからだ。
ロシアは2007年に同条約を一時脱退した。ウクライナへの全面侵攻から1年余り後、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今年5月、同条約を廃止する法令に署名した。
ロシア外務省はホームページで声明を発表し、「2023年11月7日0時、ロシアのCFE脱退手続きが完了した」とし、「これで、2007年に我が国が効力を停止していた国際法律文書が、ついに我々の歴史になった」と述べた。
ロシア外務省は、「CFEは冷戦終結時に締結されたもので、当時は協力に基づく世界と欧州の安全保障の新しい枠組みを構築する可能性があったように見えたが、私たちも適切な試みをした」と述べた。
ロシアは、米国がNATOの拡大を積極的に推進し、同盟国が同条約の集団規制を「公然と回避」するようになったと述べ、フィンランドがNATOとスウェーデンに加盟することを申請したことは、同条約が死亡したことを意味すると付け加えた。
これに先立ち、ロシアが今年の条約脱退を宣言した後、NATOはこの決定を非難し、欧州-大西洋地域の安全を破壊したと非難した。NATOは今年6月、「ロシアは長年CFEの義務を履行していない。ロシアのウクライナ侵略戦争やベラルーシの共犯行為は、CFEの目標に背いている」と述べた。
米国務省は2020年に「2007年以来ロシアは同条約の履行を中止し、同条約の査察可能性を大幅に弱め、透明性を低下させ、20年以上にわたるNATO-ロシア関係と欧州の安全保障核心要素の安全協力方式を破壊した」と述べた。
プーチン大統領は今年2月、米国とロシア双方が保有できる核弾頭数を制限するための新削減戦略兵器条約（New START）の一時停止を発表した。プーチン大統領は今年9月、モスクワの核実験全面禁止条約（CTBT）批准を正式に撤回する署名をした。モスクワは、米国が先にそうしない限り、核実験禁止条約の批准を取り消すことは、ロシアが核実験を再開することを意味しないと述べていた。
（ロイター通信の報道による）