世界の科学技術大手が人工知能（AI）分野に与える影響力の大きさを考慮し、英国の競争規制当局はこのほど、マイクロソフトとアマゾンに対して独占禁止審査を開始した。
水曜日（4月24日）、英国競争・市場管理局（CMA）は、マイクロソフトとMistral AIの間の人工知能パートナーシップ、アマゾンとAnthropicの間のパートナーシップについて第三者の意見を求めていることを明らかにした。
2月末、欧州のAIユニコーンMistral AIはマイクロソフトとの提携を発表し、マイクロソフトのクラウドサービスAzureでビッグモデルサービスを提供できるのはOpenAIに続いて2社目となる。3月末、アマゾンはOpenAIの第一のライバルAnthropicに追加投資し、後者への投資額を40億ドルに増やした。
CMAはまた、マイクロソフトがInflection AIの元従業員を採用したことやその手配について第三者から意見を聞きたいと述べた。
マイクロソフトは3月、DeepMindの共同創業者Mustafa Suleyman氏をマイクロソフトが新たに設立した消費者人工知能部門の責任者に任命し、彼の人工知能ベンチャー企業Inflection AIから数人の従業員を招聘した。
CMAは、これらの取引が英国の買収合併規則に合致しているか、あるいは競争を引き起こすのではないかという懸念について、まだ何の結論も出ていないと考えている。
「投資は合併ではない」
CMAの疑問に対して、マイクロソフトとアマゾンは、人工知能ベンチャーへの投資は合併ではないと弁明した。
マイクロソフトは、「人材を募集したり、人工知能のベンチャー企業に一部投資するなど、一般的なビジネス手法は競争を促進し、合併とは異なる」と話しています。同社のある発言者は、「CMAに調査に必要な情報を提供する」と述べた。
アマゾン側も、「CMAが審査するこのタイプの提携は前例がない」と話している。
アマゾンのスポークスマンは、「他の人工知能ベンチャー企業と大手科学技術会社との協力とは異なり、Anthropicとの協力には限られた投資が含まれており、アマゾンは取締役会の取締役やオブザーバーを務めておらず、Anthropicを複数のクラウドプロバイダでモデルを実行させ続けている」と指摘した。
より厳しい規制
上記の2つのパートナーシップについて、CMAは5月9日までに意見を求める。これはその情報収集プロセスの第一部であり、その後本格的な調査が行われている。
CMAはこれまで、マイクロソフトとOpen AIの協力関係を調査し、昨年12月に意見を求めていた。
CMAは水曜日、マイクロソフトとOpenAIの提携に関するフィードバックも検討しており、両社が提供する情報を待っていると明らかにした。
今年1月、米連邦貿易委員会（FTC）は、OpenAI、マイクロソフト、Alphabet、アマゾン、Anthropicに対し、生成型人工知能会社とクラウドサービスプロバイダの最近の投資と協力関係に関する情報を提供するよう求めた。
このように、世界の規制当局は、科学技術大手が人工知能分野に与える膨大な影響力に対応するために努力している。